Communication を日本語に訳せますか。

コミュニケーションという英語表現は日本人の何気ない会話や仕事上の会話に頻繁に使われています。

うるさ型の上司が部下に向かって一言「君は普段からちゃんと報告しないね。もっとコミュニケーションをよくしなければだめじゃないか」

仕事帰りの居酒屋で仕事仲間と、会社と上司の悪口で盛り上がっているサラリーマンが一言「うちの会社はコミュニケーションが悪くてもうやってられないよ」と。

皆さん心あたりがありますよね。ところがこんな風にコミュニケ―ションの深い意味も分からずこの英語を連発する御仁は(俺はちゃんとやっているが相手が悪い)と言っているようなもので基本的にコミュニケーションをはなからしたくない最も始末に負えない人達なのです。

それではこんな厄介な人達にCommunicationを日本語に訳してくださいと質問すると戸惑いを隠せずまともな回答ができません。漸く出て来た答は意思疎通、伝達等です。こんな答えでは意味不明でぼんやりとしています。まさにコミュニケーションが取れていません。

Communicationの5要素

元々英語のCommunication はラテン語のComunicatio(コミュニカチオ)を語源として(分かち合う、共有する)という意味です。

接頭詞Co共に【例えばCommon (共通)Corporation(協力)】がついている動詞Communicateは共に理解を共有する、共に理解し合うという意味になり、その名詞であるCommunicationは共通の理解を得る為の作業をした結果に得られた共通の理解という事になるのです。

しかしまだこれでは観念的で理屈っぽい説明で分かり難いですね。

そこで簡単で分かり易くちょっとユニークなコミュニケーションの日本語訳を紹介します。日本語には連(繋がる)というとても奥深い言葉があります。それを使ってみるとCommunication の全体像を理解する事が出来そうです。

  1. 連絡:相手に何らかの手段で伝える。まだ一方通行。
  2. 連携:相手に取りあえず繋がった。まだ理解されたかは不明。相手側は関連の人にも伝え繋がりの輪が広がる。取りあえず情報共有ができた。
  3. 連動:情報共有を元に双方で活動を始める。但し共通理解をした上で活動しているか不明。時に情報と理解に齟齬があり動きが混乱し双方で不満が発生。
  4. 連帯:混乱と不満を解決しようと初めて双方で相互理解の為に相互の相違点の検証、方向性、活動方針、役割分担等を確認し相互理解が徐々に深まる。初めて心が通じ合い連帯ができる。
  5. 連結:深い相互理解で繋がり堅い絆、団結が生まれる。

5つの連が組み合わさって初めてコミュニケーションが成り立ちます。

コミュニケーションを図れていますか?

これを称してコミュニケ―ションにおけるゴレンジャーの法則といいます。少し冗談めかした名前になりましたが実は一言でコミュニケーションと言ってもこれだけの奥深い意味が含まれコミュニケーションが良い、良く取れているという事は相互に少し時間のかかる荷が重い作業が待ち受けているのです。

個人の仲間同士、又夫婦間、そして組織体でも一度ゴレンジャーの法則にしたがって自分たちのコミュニケ―ションを振り返ってみるのも一考です。俺たちの付き合いはお前が結構自分勝手で連絡しても返事は遅いし、答もずれているからもう最低レベルの1の連止まりだよ。という人達。

はたまたうちの夫婦はそれぞれ我慢をしながらとりあえず相手を認め合って何とか夫婦円満に暮らしているから連の4段階までぐらいかねという男女。どんな会議をやっても時間を浪費し混乱して結果が出せず業績が低迷した会社。こんな会社で5レンジャーの法則を取り入れる事も一考です。部署毎にゴレンジャーの法則に沿った自己評価と他者評価を行い次に改善評計画を作成してプロジェクト化する。

改善計画が連の5レベルに(連結)に達しプロジェクトが見事に成功した暁には遊び心を入れて赤レンジャー、青レンジャーン、等の仮装に身を固め全員で【連帯だ!団結だ!ゴレンジャーダ!】等と雄たけびを上げましょう。お祭り気分で全員の絆を深め団結するには最適方法だと思います。

ラグビー世界最強のニュウージーランドのオールブラックが試合前にチームの団結を高らかに叫ぶウウォクライ(War Cry)のように

コミュニケーションに関する次のエッセイを考えています。期待していてください。

三原一郎