心の白内障、緑内障

実は私は緑内障と診断され右目の視野がほぼ60%程度欠けています。現代の医学でも視野を元に戻す事は手術でも不可能とされ、毎日専門の薬を点滴する事で進行を止めている状態です。一方白内障は進行すると視力が低下し特に夜間が見えにくくなりますが、今では簡単な手術により完治する事ができます。

実生活の上でものがぼやけて見えたり、視野がかけて見えるのはとても不便ですが適格な治療を施すことで少なくともそれ以上の進行を防ぐ事ができます。

目は口程に物を言う、目は心の窓

目は口ほどに物を言うという諺があります。目は心の窓とも言います。

人は目と耳を心の窓又入口として物理的に見た現象を心の中で喜怒哀楽の感情や論理的な思考へと無意識的に変換します、そして一旦心に変換、投影された事象は目と口、体全体を出口として心の喜怒哀楽の感情、事象に対する認識、判断という表現に変換され人の伝達手段となります。人とコッミュニケションをすることになります。

物事が良く見えていない、視野が狭い、判断能力、決断力にかけているなどと批判的に言われることがあります。

心の白内障、心の緑内障

この状況は実は心の白内障、また緑内障という重い病を患っていて入院する必要があるのです。心の白内障を患っている人の症状は心の視力が衰えている事。即ち目とか耳を入り口として心に投影されるあらゆる事象が正しく心の中で変換できない為に、取り込んだ事象はいつもぼんやりと霞がかかり、曖昧で、本質がつかめず、鬱陶しい。だから見えていない、正しく感じて取っていない、読めていない。だから決められない。重症なのです。

心の緑内障はさらに手におえない病と言えます。心の緑内障の症状は心の視野が狭い、つまり独りよがり、偏屈、執着、利己主義これが高じて排他主義、差別意識、更に独裁、超国家主義、反自由貿易、アメリカファースト等につながっていきます。

そして身近な問題としてパワハラ、セクハラ, ヘイトスピーチ、いじめ、引きこもり等を併発します。

会社組織の白内障、緑内障

会社組織としては経営陣が心の緑内障を患っていては危なくて会社を任せる事は出来ません。株主総会で 辞任に追い込むしか手はありません。

緑内障は徐々に症状が蓄積していきますが最も重大な事は自覚症状が全くない事です。殆どの人は片目に症状が現れず、もう一方の目で実はうまく調整機能が働き視野が狭くなっている事を自覚していないのです。目の緑内障は薬で進行を止める事ができますが、心の緑内障は厄介です。

最も厄介な事はある環境で育ちそれが全てだと教育を受け信じ込み蓄積されたほぼ宗教的信念は自覚症状等付け入る余地もありません。それが最も心地よい世界であり、他人の干渉を受けたくない寧ろ他人の意見は排除の対象となります

治療法はあるのか

治療方法があるのか少し考えてみます。

目、耳等五感の入り口で心に取り入れた事象が心の中でぼやける、正しく見えない、読めない従って判断力と決断力に欠け常にブレまくる心の白内障は少なくとも自覚症状もあり又他人からも指摘を受ける事もあります。目の白内障は手術により完全に治すことができますが、心の白内障は自覚症状があるので息の長いリハビリと投薬による治療法により徐々に回復に向かいます。

子供と大人、学生と教授、アマチュアとプロ、職人の弟子と親方は当然、知識と経験の蓄積、判断基準の引き出しの多さに違いがあるはずです。それぞれ自覚症状もあり且それぞれで認識を共有しています。

自覚できる事、また他人から指摘を受けるような心の白内障状態から脱するにはまずは真摯に自己を見つめる事、反省から始め知識と経験と努力の蓄積という息の長い方法しかありません。息の長いリハビリです。相手側に心の白内障を患っている事が見えている事も重要です。常に心を開き、謙虚で前向きの姿勢が相手に見える事により相手からの強い協力を得る事ができるからです。効き目の強い投薬を受け入れる事です。

自己研鑽と相手の協力により心の白内障は飛躍的に改善し世の中の事象が明るい輝きをもってクリアーに見え、まるで違う別世界に入った気分です。良く見える、よく読める、よく判断できる視力を回復できるまでになるでしょう。

視野が欠ける緑内障の療養は完治が難しい難病です。自覚症状がないため放置していると病状はさらに悪化していきます。

視野が欠ける、狭い心(自己中心、偏屈、執着、利己主義、差別。。。。)等という症状は気が遠く成る程の長時間で心に蓄積された信念というべきものですからちょっとした手術では手の打ちようがありません。実際の目の緑内障は現状の医学では手術では完治せず薬の 投与で進行を抑える事が唯一の療養となっています。

しかし心の緑内障は進行を抑える等という悠長な問題ではないのです。放置しておくと更に悪化しこの病気にかかった個人又組織は社会に悪影響を及ぼしあらゆる害悪をもたらす事になり看過できないのです。

歴史上の緑内障(ペリー来航、明治維新)

ただリハビリでも投薬又手術でも治らない緑内障を完治した症例は実社会で数々の事例があるのです。それは強烈なショック療法による大手術です。最もわかりやすい症例が日本の明治維新、そして世界ではベルリンの壁の崩壊です。

江戸末期に鎖国状態で安定した停滞に浸りきっていた日本に突然現れたアメリカのペリー提督率いる4隻の黒船。泰平の眠りを覚ます上喜撰たった四杯で夜も眠れず。という川柳が

あります。上へ下への大騒ぎをするが何も太刀打ちできない幕府を揶揄する歌です。しかしこの強烈なショック療法が世界という広い世界を見据えた広い視野の持ち主である吉田松陰、島津斉彬等の啓蒙家を生み、西郷隆盛、坂本龍馬、高杉晋作などの強烈なリーダーが明治維新の革命的偉業を成就せしめたのでした。日本は外部からの強烈なショック療法で心の緑内障から漸く解放されたのです。

1989年11月9日ベルリンの壁が崩壊しました。当時私はイギリスに駐在していて毎日流されるBBCの放送に釘ずけとなっていました。ソ連を中心とした社会主義体制は心の緑内障のあらゆる症状に侵されていました。社会主義的思想への独善、偏屈、執着、排他主義、独裁。病魔は国民を苦しめます。自由への迫害、経済の崩壊、貧困の拡散。マグマ大爆発の寸前でした。違法国外流出の防止策として出国制限緩和策が発表されると何十万という人々が一気にベルリンの壁に押し寄せついにベルリンの壁が崩壊しました。

国民全体に溜りに溜まったマグマの大爆発という内的ショック療法でついに心の緑内障で東ドイツを長年苦しめてきた社会主義という独善、独裁、貧困から人々が解放された瞬間でした。

私は緑内緑内障の自覚症状がなく気が付いた時はすでに60歳を超していました。毎日薬を飲む事により進行を止めているここ状況です。心の白内障と緑内障はおそらく認知症にもつながるような気がしすます。組織における緑内障は大きなショック療法でしか完治する方法はありませんが、心の緑内障は少なくとも自覚症状があれば投薬する事で進行を防止できます。独善、執着をなくし常に柔軟に心を開き人とコミュニケーションをとれば心の活性化が保たれひいては認知症の防止に繋がると信じつつこのエッセイを閉じる事にします。